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追い求めた愛

太平洋戦争時。

人の死など当たり前。その上、死ねば英雄、という時代。
それらすべてが間違っているとは言わないが、それでもやはり、自分のために死なないというのは、あまり良い生涯とはいえないだろう。

そして、そんな時代でも、

純粋な愛はあった。


――――太平洋戦争が始まる少し前。

一人の青年は、一人の女に恋心を抱き、
また、その女もその青年に淡い恋心を抱いていた。
いわば、両想いというものだ。

しかし、その時代、若者が自由に恋愛など出来るものではなかった。

そして、戦争が始まり、
青年は特攻隊に選ばる。
特攻隊とは、自分の命を捨てる覚悟で、敵兵の陣地に飛行機ごと突っ込むという、
決して生きては帰れない仕事だった。

そんな危険な任務に任命された青年は、ある日、女を散歩に誘う。

だた、歩くだけの散歩。
女も喋らず、青年も黙ったままだった。

女は、もう解っていたんだろう。

青年は、もう帰ってこないと。
生きて、帰っては来れないと。

「―――行く前に、ひとつ、お聞きしたい事があるのです」
「?・・・・・なんだ」

「私を、愛してるとは一言もおっしゃらない・・・・。でも、そのようなそぶりは見せる。
あなたは、私のことを愛してくれているのでしょうか?」

女の手は震えていた。
正直、自分が愛されているという自信がなかった。
でも、青年はこう言った。

「愛しています」

女は涙が出そうになった。嬉しかった。
でも、その分、悲しくなった。

あなたは、もう戻ってこないのだから。

女は涙をこらえ、青年に写真を渡した。
それは、自分の写真だった。

最後の最後まで、自分を忘れて欲しくないという気持ちが、その写真には表れていた。

――――そして、写真を戦闘機の中に貼り、それを見ながら、青年は青空に散った。



現在、2008年。
その女は死を向かた。

残され遺書には、こう書いてある。

『私は、婚約者になるはずだったあの人と、最後の最後まで共にいると誓いました。
 だから、私は最後の最後まで・・・・いや、永遠に、あの人と共にいたいのです。
 なので、私の骨は、
 あの人が散っていった、太平洋に流してください。
 それが、私の最後の願いです』
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夏神穂樽

Author:夏神穂樽
あなたが恋をする理由はなんですか?

・・・・・ただがむしゃらに恋をして、愛を知って。

でも、それはすべてが無意味ではなかった事を、
あなたは理解できますか?

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